『宇宙ごっこ』仙台公演まで、いよいよ一ヶ月を切った。
今月は毎週3日間ほど仙台に滞在してクリエイションしているが、上京して十数年、これまでで一番仙台に帰っているような、、、
今までになく身体が“仙台化”してくるような、不思議な感覚だ。
今回の『宇宙ごっこ』は、世間的にいうところの「幼なじみ」富田真人氏との共同作品。
ダンサーでもなく、いわゆる舞台人でもない彼の本職は「バーテンダー」、そして「朗唱家」。
これまで、オイリュトミーの朗唱や、自主企画の朗読パフォーマンスなどを行なっていて、2013年には、コルヴスの仙台公演でも朗唱家として共演している。
稽古後に彼と語り合っていると、仙台での十代の頃の出来事を、僕はほとんど憶えていなかったりして唖然とすることも多い。
長らく記憶の彼方に忘却されていたことが無数にあるらしい。
でも、あの頃はめまぐるしく何かが起きていたのだから、仕方がないとしよう、、、?
16,7歳の頃だったか、
ワケあって⁈某組事務所に何日も拉致監禁されたり、
とある右翼団体と警察、双方から追われて、やむなく宮城県外へ逃亡生活を送るハメになったり、
北日本暴走連合◯◯の副総長と一悶着あり、4,50人の輩に囲まれて逆に殺されかけたり、、、
夜な夜な盗みやら、喧嘩やら、何やらに明け暮れていた少年時代の日々の悪業が、今回、リハーサルで帰仙するたびに想起されてくる。
、、、ちなみに、当時の仙台中央署の留置所は、本当にTVドラマに出てくるような独房で、和式トイレが一つあるだけの3畳ほどの小部屋だったな。
しかも、隣の独房にはイスラエル軍の女兵士がいて、消灯後、片言の英語で壁越しに会話していたような記憶も。(担当刑事から「あれは女だけど、オマエなんか一瞬でヤられるぞ」と怒られた)
今思えば、留置所という場所は少年も大人も一緒なので、かなり身近に凶悪な雰囲気を感じるところかもしれない。
、、、とにかく、世の中には悪いのが山ほどいた。
周りにも売春少女やジャンキー、レディースみたいな女の子ばかりいて、時にはまるでサドの小説のようだったし、他にもとてもここに書けないことが山のようにあるけれど、90年代は、ニュースや、新聞記事にならない少年事件はいくつもあったと思う。
だから、通り魔や、テロリスト、重大犯罪を犯す少年と、自分は何も変わらないのかもしれないと思うことが、正直今でもあったりする。
もしかしたら、ヴェンダースの「ベルリン天使の詩」のように、人生のかたわらに、いつも守護天使のような力があったのかもしれないなどと、勝手に想像しては感謝しているが、、、
ところで、今回の仙台公演は、その頃の罪滅ぼしのためにやろうというわけでは、勿論ない。
富田真人氏と仙台で公演を行なえることが、僕自身とても嬉しく、シンプルに楽しいし、
今回の公演は地元の皆さんの協力のおかげで、これまでになく様々な方面で動きが広がっていて、僕にとっても、そのことがとても力になっている。
みんなには本当に頭が下がる思いで、僕も頑張らなければと思う。
「滅びゆく時代に、産め、宇宙を。」
チラシにある彼の熱い言葉。
いま、この日本の政治、経済、芸術の在り方を、根本から覆す力というのは、人と人とのリレーションシップなしには不可能だという想いは、ますます強くなる一方だ。
東日本大震災から4年経ち、仙台空襲で焦土と化してからは70年。
復興とは、文明の表層だけではなく、喪われたものたちと共に、そして、現在を生きる人間の自由な力によってなされるものだろう。
是非、この『宇宙ごっこ』に多くの方にお運び頂きたいと願うとともに、かつての因縁の「お礼参り」のためのご来場は、固くお断りしているので悪しからず!!
本番は4月12日(日)18時開演。
会場はエル・パーク仙台スタジオホール。
ご予約はコチラ→uchugokko@gmail.com
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