2013-09-30

秋の夜に、ふと思う。


深夜にSkypeで、2時間ほどの打合せを済ませ

近くのコンビニへ買い物へ行く。




外は秋の夜風と、虫の音がまじわっている。

夜空には星と月が凛としていて、とてもキレイだ。




コンビニへ入り、たまには牛乳を買おうと思ったが

産地が表示されていないのが、ふと気になり


別なコンビニまで少し歩く。




今日も「タマユラ」の稽古だった。

10月の福島へ向けて。





夜中にピアニストの二瓶さんと、久しぶりに連絡を取り合った。

福島在住の「引きこもりピアニスト」ゆえ、

打合せのための連絡を取るのも、至難のワザだ。




二瓶さんとは、

2011年、東日本大震災後の五月、

福島県渡利市の「こどものいえ  そらまめ」で行われた


オイリュトミーの会「沈黙ノ空ヘ」で初共演した。




(ちなみに「そらまめ」とは今回の福島公演の主催である、NPO法人そらまめの前身の保育園)




その時、初めて聴いた二瓶さんのピアノは

無音の空間に、

音が生まれる瞬間をとらえる


繊細な意識と、

一つの音が消えるまでの間の、

余韻の広がりを感じさせるような


インスピレーションに満ちた演奏だった。




静謐な水面に雫が落ちて、

波紋が広がり消えゆくさまを見るようである。




今回の「タマユラ」では、


ベートーヴェンの有名なピアノソナタ

「月光」全楽章を弾く。





一体、どんな月光ソナタを聴くことができるのだろう。


また彼の演奏に触れられるのが、

とても楽しみだ。

彼が敬愛するピアニストは、あの高橋悠治さんである。




ところで、


東京でもここ国立は、真夜中になるとコンビニにも人がいない。

外は静まり返っていて、時折虫が鳴いている。

ただ月の光だけが、ひとしく降りそそぐ秋。

とても静かだ。





けれど、

あの福島の動物たち、


牛や豚や犬の、

慟哭のような悲鳴を耳にすることは、


まずない・・・。




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